リニューアルが、収支改善につながる? 多くの管理組合様にとって、にわかには信じ難い話のようですが、駐車装置をいつ、どのようにリニューアルするかは、駐車場収支を左右することになります。

駐車装置をリニューアルすることのメリット

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機械式駐車場の収支改善に関する様々な施策の中で、最も忘れられ、あるいはタブー視されるのがリニューアルです。他の施策に比べて関係者が経験に乏しいこと=管理組合に提案する自信がない、メンテナンス(定期点検、部品交換等)が立体駐車装置ビジネスの柱の一つであること=耐用期間のメンテナンスを全うしたいという業者側の都合、これらが大きな理由だと考えられます。駐車装置の収支は、リニューアルをタブー視せず、適切な時期に、適切な規模でリニューアルを実施できるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。

リニューアル(前倒し)の効果

維持費の削減

維持費の削減

駐車装置の部品交換費用は、設置から15年が経ったことから急増し、その合計額はリニューアル費用を上回ることが少なくありません。既設の装置に見切りを付け、リニューアルすることで、維持費の削減が期待できます。

サイズ・高さ制限の緩和

サイズ・高さ制限の緩和

設置スペース次第では、リニューアルにより収容サイズ・高さ制限を緩和(大きく・高く)できる場合があります。また、台数を縮小して、1台あたりの収容サイズを拡張した事例もあります。但し、リニューアルにより、サイズ制限が厳しく(小さく)なる場合もあります。

安全性の向上

安全性の向上

駐車装置における人身事故の約40%はマンション内の駐車場で発生しているとの報告があります。安全性を高めた新しい認定基準をクリアした装置にリニューアルすることで、事故防止に貢献します。

リニューアルのポイント

リニューアル費用>維持費用

リニューアル費用>維持費用

『リニューアルには多額の費用がかかる』という漠然とした認識で、リニューアルよりも多くの費用を部品交換に投じられようとしている管理組合さんにしばしば出会います。また、細かい部品交換費用の支出の合計額はさらに大きな額になる場合が殆どです。

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一度、長期修繕計画上の備品交換費用を足し算してみましょう。計画通りに部品交換を実施されることは稀ですが、“話半分”で考えても、維持費用の大きさにお気づき頂けると思います。

耐用年数とリニューアル予定

耐用年数とリニューアル予定

駐車装置は、永遠に使えるものではなく、耐用年数(通常は25年~30年)が設定されています。部品交換の提案を受けた場合に最初にすべきことは、耐用残年数の確認です。

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安全性の確保の手段は、部品交換だけではなく、リニューアルでも可能です。部品交換ありきで、リニューアル時期を調整することが、支出を増大させる最大の原因です。

大きく・高く・便利になるとは限らない

大きく・高く・便利になるとは限らない

『リニューアルすれば、“良い装置”が設置される』ことを期待されるのは当然です。しかしながら、良い装置=便利な装置、大きな車が入る装置、と定義されている場合には、“良くない装置”にリニューアルされる場合があることの認識が必要です。

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駐車装置の認定基準の改定により、現行の装置は安全性に重きを置かれるようになりました。そのしわ寄せが、収容サイズ制限や操作性に顕れる場合があります。目的にあったリニューアルとなるよう、確認が必要です。

リニューアルを諦めていませんか

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・高額な部品交換を提案されたため、「新しい装置に入れ替えた方が安いのでは?」と聞いてみたのですが、、、。
・あらためて長期修繕計画書上の部品交換費用を見てみてびっくり!

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・長年乗ってきた車、エンジンを交換して、ボディを交換して、シャーシを、電装部品を、、、これを繰り返すより、新しい車に買い替えることを検討される方が多いのではないでしょうか?
駐車装置も同じです。あるタイミングで新しい装置に買い替える(リニューアル)ほうが経済的です。

Q:長期修繕計画上、リニューアルは○年後だから、今は(高額な)部品交換が必要だと言われましたが本当でしょうか?

長期修繕計画は、主に修繕積立金の予算を組むための参考値であって、より良い施策(現実)があれば、採用しない理由はありません。そもそも計画上の金額の範囲内で維持費が収まる保証はありません。ちなみに、部品交換は計画通りに実施されていますか?実施されていないとすれば、なぜリニューアルだけ計画に拘るのでしょうか?

Q:リニューアルすると、収容サイズ・高さ制限は緩和されますか?

緩和されるとは限りません。技術の進化と認定基準の改定により、同じ設置位置(ピット)等に格納できる駐車装置(収容サイズ・高さ制限)が異なる場合があります。技術の進化と認定基準の関係から、「大きく・高く」できることもあれば、『小さく・低く』なる場合もあります。

Q:リニューアルすると、便利になりますか? 待ち時間は短くなりますか?

便利になるとは限りませんし、待ち時間は長くなる場合が多いと思います。認定基準の改定により、安全性がより重要視される装置になりました(全メーカー共通)。乗り込み口にはゲートが設置され、安全確認や無人確認、認証番号等のボタン操作が増え、安全性が向上された反面、利便性は一部低下しています。

Q:リニューアルは、既設の駐車装置メーカーに依頼しなければなりませんか?

特別な事情がある場合を除いて、他のメーカーに依頼することができます。メーカーの選定は、難しい課題の一つです。当社は、メーカー選定のお手伝いもしております。 

導入事例

  • 部品交換>リニューアル

    部品交換>リニューアル

    管理会社経由でメンテナンス会社から高額な部品交換がなされました。『リニューアルの方が安いのでは?』と尋ねても『リニューアルはこの何倍もの費用がかかる』の一点張り。
    当社にご相談頂いた結果、当初の部品交換費用の3割減の費用でリニューアルを実施。

  • 15年目でリニューアル

    15年目でリニューアル

    15年間、部品交換は最低限に留めて運用してこられた管理組合様。
    先送りしてきた部品交換が限界に達したと判断され、既設の駐車装置に見切りを付け、リニューアル。
    この駐車場の修繕計画上の部品交換予算の約半額でリニューアルに成功。

  • 収容サイズ縮小を看過

    収容サイズ縮小を看過

    当初某メーカーから提示された見積書には、既設の装置より小さい収容サイズが記されていたものの、値段に意識が集中し、見過ごされていました。相見積業者として呼ばれた当社が、縮小される収容サイズ、それに伴い入庫できなくなる車の台数を指摘し、大きなプラン変更を提案。台数減、収容サイズ拡大でリニューアルを実施。